NBA16-17シーズン前半戦 総振り返り
Golden State Warriors(ゴールデンステイトウォリアーズ)にCleveland Cavaliers(クリーブランドキャバリアーズ)が劇的な逆転劇で勝利し終了したNBA15-16シーズン。
大型の選手移籍や目玉新人のドラフトがある中、様々な戦力分析が行き交ったシーズン開始当初だったが、全チーム35試合前後を消化し、ほぼ折り返しとなった2017年元旦に、今シーズン現時点までの振り返りと、注目選手について、最新のリーグ順位に沿ってまとめていきたいと思う。
是非今シーズンの経過を追えてない方にも、後半戦からすぐ追いつけるように、参考になれば嬉しい。(誰やねん)
文字数と時間の関係上、上位チームのみの紹介に留めておく。
上位チームの戦力分析
1.Golden State Warriors(ゴールデンステイトウォリアーズ)
29勝5敗
去年主力選手だったアメリカ代表でもあるハリソン・バーンズと、オーストラリア代表のボーガットを放出し、一時心配されたウォリアーズだっだが、オクラホマシティサンダーのエースでありアメリカ代表エース、現在最高選手の一人とも言えるケビン・デュラント(略してKD)を獲得し、スプラッシュブラザーズ(ステファン・カリーとクレイ・トンプソン)にまた超強力な得点源が加わった。インサイドを放出したウォリアーズは、パスが捌けてチームへの献身的なプレーが得意なザザ・パチュリア(C)を獲得しスタートに起用。ザザが見事にハブとなり、且つKDがスプラッシュブラザーズの負担を減らすことで、最強のアウトサイドチームが完成した。またアメリカ代表のドレイモンド・グリーンも、ディフェンス、アシスト、得点で幅広く活躍し、アンドレ・イグダラと共に相手のエースをディフェンスで苦しめている。
また、若手のイアン・クラーク(G)が大きく成長し、スプラッシュブラザーズの良きサポートとなった。新加入のジャベイル・マギー(C)は、珍プレー多発である意味注目選手である。
今シーズンは、KDの加入により、カリーのスタッズの低下が心配されたが、それは予想通りになった。ただ、カリーの存在感はひきつつ大きく、来年の年俸は約40億円程度になると予測されている。
不安要素としては、イグダラのアウトサイドの確率が低いこと、カリーの怪我の可能性、くらいか。ただ気になるのは、宿敵スパーズとキャバリアーズとの直接対決に、今シーズンでは敗退を記していることだ。決着はプレーオフセミファイナル以降となりそうだ。
2.Sun Antonio Supurs(サンアントニオ スパーズ)
27勝6敗
去年、長らくNBAのインサイドを支配し続けたティム・ダンカンが引退したことが話題になったスパーズ。その補完としてパウ・ガソルを獲得し、その他の主戦力にほぼ変更はなし。
カワイ・レナードが得点を牽引し、ガソル、パーカー、オルドリッジ、デニーグリーンがバランス良く得点する。スパーズの特徴は引き続き「少しでも確率の高いオフェンスセレクションをすること」と鉄壁のディフェンス。これにより他チームを寄せ付けず、リーグ2位につけている。
去年との違いは、オルドリッジの得点の低下、レナードの怪我、あたりか。ポジティブ面としては、NBAの下部リーグであるNBAディベロップメントリーグ出身のジョナサンシモンズの活躍。圧倒的な身体能力で会場を沸かせているシモンズは現在27歳で、まだまだ成長している注目株だ。今シーズンはウォリアーズとの直接対決も勝利しており、好調をキープしている。
3.Huston Rockets(ヒューストンロケッツ)
26勝9敗
去年戦績の振るわなかったロケッツが、今シーズン折り返し地点では全チーム3位の位置につけている好調振りだ。去年との大きな違いと言えば、まずは不仲が噂されたドワイト・ハワードの退団である。好調の理由としては、大エースのジェームズ・ハーデンが絶好調なことと、チームの3P成功数が他チームと比較し多いことにある。インサイドとハーデンの好調により、他選手はアウトサイドでフリーになるチャンスが多くなっているのだ。一方、ハワードが移籍したHAWKSは、現在12位と悪くない位置につけている。
今シーズンのロケッツの注目は、ハーデンの1択。得点28.5(4位)、リバウンド8.1(25位)、アシスト12.0(1位)でスタッズランキング上位にランクインしているハーデンは、完全にゲームを支配している。ハーデンだけ止めたと思っても、アウトサイドか3Pにうまいパスが入る。プレーオフ進出は恐らく手堅いだろう。
4.Cleveland Cavaliers(クリーブランドキャバリアーズ)
25勝7敗
ほぼ主力選手に変更のない去年覇者のキャバリアーズ。控えガードのデラべドバが抜けたくらいか。得点の中心は、キングジェームズことレブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、・ケビン・ラブ。今シーズンは特に、レブロン以外の得点が安定していることが底力となっている。レブロンが基本的にアシストに徹しており、ほか選手が活き活きと活躍している。そしてほか選手が不調のとき、キングジェームズが動き出し、結局誰も止めることができない。どこからでもバランス良く得点するキャバリアーズは、今シーズンウォリアーズとの直接対決にも勝利しており、他を寄せ付けない強さを見せている。ここまでの4チームは戦績はほぼ変わらないので、プレーオフで決着するのが今から楽しみだ。
また、今シーズン特に注目すべきは、カイリー・アービング。特に今シーズンは昨シーズンプレーオフの好調をキープし、得点が伸びている。レブロン、ラブよりも平均得点で上回れば、チームの順位によってはシーズンMVPを狙える活躍だ。
5.Tronto Raptors(トロントラプターズ)
22勝10敗
去年も悪くない順位につけていたラプターズは、今シーズンもキャバリアーズと共にイースタンカンファレンス2位とリーグを牽引している。2大エースのデマー・デローザンとカイル・ロウリーが引き続きチームを引っ張る。ただし不安要素としては、得点が2点が多いこと、2大エースに頼り過ぎていることか。善戦はできても、ウォリアーズやスパーズやキャバリアーズには敵わないと見る。
6.LosAngels Clippers(ロサンゼルスクリッパーズ)
22勝14敗
昨シーズンは、主力の怪我に苦しみプレーオフでブレイザーズに敗退したクリッパーズ。今シーズン当初は、チームの大黒柱のクリス・ポールと、得点の殆どがダンクかアリウープであるディアンドレ・ジョーダン、なんでもできるインサイドのブレイク・グリフィンがチームを牽引し、更に上位につけていた。が、現在はクリス・ポールとグリフィンが怪我により療養中で、順位は6位まで下降中だ。ガードのJJ・レディックとオースティン・リバース、Best6マンに選ばれたジャマール・クロフォードが奮闘するも、司令塔不足により順位を落としている。昨シーズン同様、怪我に泣くことになったが、プレーオフには進出できそうなので、ベストメンバーでプレーオフを迎えてほしい。
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上位チームのみを紹介したが、これらより下位のチームからもまだまだプレーオフ進出の可能性が高いチームは当然存在している。また下位チームの中でも圧倒的な存在感をもつ選手もおり、個人としてのタイトル獲得のためにも、今後のトレードが注目されている。そんなその他の注目選手を紹介していきたい。
1. Russel Westbrook(ラッセルウエストブルック)
今NBAで最も止めようのない選手が、ウエストブルックだ。今季既に16回のトリプルダブルを記録し、通算50回のトリプルダブルを達成。オスカーロバートソン、マイケルジョーダン、レブロンジェームズに並ぶ記録だが、彼らより達成ペースは早い。マイケルジョーダン自身も最も注目する選手にウエストブルックを指名する程。また、今季の平均、スタッツランキングでも、得点30.9(1位)、リバウンド10.5(11位)、アシスト10.7(2位)、というまさかの平均でトリプルダブルもいう無理ゲーっぷりを発揮している。チームとしても、KDが抜けて心配されたが、インサイドのアダムスとカンターが好調で、且つオラディポやロバーソン、ルーキーのサボニスが得点を重ねている。プレーオフ進出は間違いなさそうだ。また、ルーキーのサボニスは、まだ20歳で、アーリーエントリーでゴンザガ大学から入団した期待のルーキーだ。ゴンザガ大学とは日本の期待の星である八村塁も進学した名門校。また、リトアニア最高のセンターと言われるアルビーダス・サボニスを父に持つバスケットボールサラブレッドであることも注目される理由の一つだ。
2-3.アンソニー・デイビス、デマーカス・カズンズ
この二人は、得点ランキングでも上位に君臨する名センター。デイビスは何でもできるので、登録をフォワードに変更している。チームが、両者低迷しており、デイビスのペリカンズは30チーム中23位、カズンズのキングスは22位と、完全なワンマンチーム状態に。プレーオフを狙えて、且つ負担を減らせるチームへの移籍を期待したい。
4.ジアニス・アデトクンボ
2013年のドラフトでバックスへ入団したアデトクンボ。高い身長と長い腕、高い身体能力、オールラウンドプレーで稀に見る恵まれた才能を持つ彼は、迫力のあるプレーで会場を沸かしている。まだまだ成長しそうな若手選手なので、今シーズンどこまで活躍するか期待だ。チームもプレーオフ進出ギリギリのところなので、是非とも長く彼のプレーをみたいところ。
5-7.カールアンソニー・タウンズ、ザックラビーン、アンドリュー・ウィギンズ
この三人はそれぞれエース級のプレイヤーたのだが、チームのティンバーウルブズは30チーム中25位と下位を低迷している。ただなぜ注目かというと、3人ともまだ21歳と、超若手なのだ。この三人を操るポイントガードは、高校生時代からスペイン代表に入っているリッキー・ルビオ。彼自身もまだ26歳の若手。この三人がピークを迎えるときにまだチームに残っていたとしたら、かなり期待できるチームになっているはずだ。ただ、ルビオはかなり注目されてきたポイントガードだが、シュートの確率が低いことがスターになれない要素となってしまっている。シュート率が悪いため、ディフェンスは比較的容易に守ることが出来てしまう。彼のアウトサイドの確率が改善することが、彼ら三人の活躍を伸ばすことにもなるだろう。
まだ他にも多数の注目選手がいるが、指が疲れてきたのでこの辺りで終わるとする。今シーズンは特に、シーズンMVPになる可能性がある選手が多すぎて選べないほど豊作の時期とも言える。レブロン、アービング、カリー、KD、ウエストブルック、ジェームズハーデン、ダミアン・リラード等々。誰からも目を話せないシーズン後半戦も、唯一の仕事のリフレッシュとして、NBA観戦とバスケットボールのプレーは続けて行きたい。
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